「たいせつな風景・S市点描」について [小説]

1978年から1982年の4年間、私はS市に住み暮した。個人的な「たいせつな風景」を描き残しておきたくて、小説として点描を行ったもの。

この時期、この自分にとって貴重な時間を思う時、ふたつの要素が常に私を刺激した。それは、森山大道の写真集『北海道』であり、佐藤泰志のこの時期の北海道を舞台にした小説である。私がS市に住み始めた1978年に森山大道もS市に暮らし、北海道各地を撮影した。その膨大な写真が30年を経過して発表された。それが『北海道』である。

不思議なことに一目みて、画面からただよう空気感や質感のようなものが当時の記憶を呼覚ます。どこかの街角ですれ違ったかも・・・とも思うが、それが現実ではなくとも、画面に自分が写っていないだろうかと探してしまうような同時性を感じる。ときにセンチメンタルな気分になることもある。

次回以降、「S市点描」としてシリーズ化した作品を連載します。
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