WITH YOU プロジェクト(2) メールアートギャラリー<ポストカード・コラボレーション> [メールアート]

2.コラボレーション小冊子の発行

 こうしたコラボレーション・プロジェクトを実行する場合、二つの方法がある。その一つは、同じ図案を全ての相手に送る方法で、誰がどの部分を担当したのかがはっきりわかるし、結果のバリエーションが一目瞭然となる。今まで行なわれたコラボレーション・プロジェクトの多くはこのタイプである。もう一つの方法は、全て異なる図案を相手に送る方法で二人のコラボレーターがどの部分を担当したのかもわらなくなってしまう。「WITH YOU プロジェクト」では後者の方法を使った。つまり、3年間で300枚以上の図案の異なるポストカードを制作して送ったことになる。従って場合によっては、自分自身がどの部分を担当したのかわからないというケースもあった。
プロジェクトは1996年の秋に構想、年末までにコラボレーション用のコラージュしたポストカードを準備し、メールアーティストに順次発送した。1997年一年間を通して受け取ったコラボレーション作品を「WITH YOU」という作品集にまとめた。発行は1998年2月。この一年間の参加者は、18ヶ国、81名である。この中にはフルクサスのメンバーであった塩見允枝子、残念ながら亡くなったバーン・ポーター(アメリカ)、フルクサスメンバーのケン・フリードマンの紹介でメールの交換を始めたダン・ランドラム、元・具体の嶋本昭三、札幌の画家・三神恵爾、フルクサスメンバーでメールアートの父と呼ばれているレイ・ジョンソンの遺児、タリー・ジョンソンとラス・ジョンソン(アメリカ)などが含まれている。 

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中村惠一+塩見允枝子 

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中村惠一+嶋本昭三

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中村惠一+三神恵爾 

 同じく、「WITH YOU 2」は1998年を通して展開、1999年に作品集として発行した。参加は、20ヶ国、69名である。イギリスのアーティスト・SR LONDON、ロビン・クロイツァー、ハンガリーのグレゴリー・ガランタイ、オランダの彫刻家レナート・カレルス、フルクサスメンバーのディック・ヒギンズ(アメリカ)、スロバキアの美術研究者マイケル・ビコー、アーティスト・スタンプ制作者のE・F・ヒギンズⅡ世(アメリカ)、H・R・フリッカー(スイス)、ヴィジュアル・ポエトのヘニング・ミッテンドルフ(ドイツ)、アントニオ・ペレス・カレス(チリ)などの参加があった。

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Keiichi Nakamura+Ruggero Maggi

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Keiichi Nakamura+John Held Jr.
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SILENT

こんにちは
最近句会に出席しました。俳句の世界は連句や連歌から繋がって
コラボやリンクが妙の世界と知りました。
歌会始も御題があり 他者の影響を思い切り受けて
創作する世界でした。句もまずは模倣から始めています。
by SILENT (2009-09-04 20:44) 

ナカムラ

SILENT様:定型のことを書きながら、昔、短歌は書いていましたが、俳句は英語で書くくらいでした。海外の詩人とは英語による連句をともちかけられ、2回トライしました。ところが、私も最近、初めて句会というものに参加しまして、ちょっと興味をもっている次第です。コメントありがとうございました。
by ナカムラ (2009-09-05 00:43) 

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