Colla-@rt(1) メールアートギャラリー<eメール・コラボレーション> [メールアート]

 「Colla-@rt」とは、2002年から2007年まで私が発行していた小冊子のタイトルであり、eメールを使ったコラボレーションアートに関する小冊子である。実は、それこそeメールで、美術評論家の金澤一志さんから、通常のメールアートと区別するためにeメールを使ったコラボレーションアートの場合には「Mail @rt」とか「M@il Art」とかの表記にしてはどうでしょう、との提案をにいただいたのであった。なるほどと思った。海外でもまったく共通に使えるし。
 このとき金澤さんからは自由に使ってください、との許可をいただいていた。そこで、以後私がeメールを使って行うeメールアートについては、ぜいたくに「M@il @rt」をタイトルに使かわせていただいている。「Colla-@rt」の表記は「M@il @rt」から連想して使ったもので、コラボレーションの頭の部分と「@rt」つまりeメールアートとを合体した造語である。
 2002年12月、金澤さんから一通のメールが来た。そこには、詩あるいは文字を使った造形のようなものがあった。これに私が手を加え、そして世界のアーティストたちにインターネットを経由して「金澤+中村作品」を送ったのである。タイトルに少しわかりやすくするため、「コラボレーティブ・イーメイル・アート(またはポエム)」の文字を入れたので、何の指示や説明を記述しなくとも反応は返ってきた。全体では、仮に印刷した場合には30ページにわたるくらい大量の造形連鎖が生じ、波のようにインターネット上を駆け抜けた。ジョン・ソルトさん(詩人・評論家・キュレーター)、ヤリタ・ミサコさん(詩人・評論家・パフォーマー)、近藤修一郎さん(造形作家・視覚詩人)などがすぐに反応してくれた身近な方々。ドイツの視覚詩人であるクラウス・ペーター・デンカー教授、アメリカの視覚詩人ジョン・ベネット、カナダのスーザン・ゴールド・スミス、ラ・トーンヴァン(ベトナム人)、韓国のヤン・ジェイ・リー(美術評論家)、アルゼンチンのヴォルティス・アルゼンティナ、アリシア・ザラト、アメリカのドラゴンフライ・ドリーム、イタリアのアンナ・ボスティ、NIPAFの招聘で来日する予定だったが果たせなかったウルグアイのクレメンテ・パディンなどが参加している。このコラボレーションでは文字を基調にしたが、ヴィジュアルによるもの、あるいはヴィデオによるものなど様々である。eメールは生のメディウムは送れない。しかし、また別の感覚を我々に運ぶようだ。新たな表現がこうしたネットワークの中から生まれることを期待したい。

nice!(36)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 36

コメント 2

SILENT

eメールを通じてのメールアート面白いですね。
只今 HAIKUを勉強中ですが 連句をブログやツイッターでやったら面白そうですね。既にやられている方もあるのでしょうが。
百韻なんてあっという間に完成しそうですね。
by SILENT (2010-08-05 10:33) 

ナカムラ

SILENT様:コメントありがとうございます。アメリカでは英語でのRENGAをウェブでやっているサイトがたしかありました。

まあ、様々な試みができそうです。私は素材が生にあった方が好きですが、時間と距離を飛び越えるという意味ではイーメールが凄いですから。


by ナカムラ (2010-08-05 12:02) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。