コラージュ・コラボレーション(1) メールアートギャラリー<ポストカード・コラボレーション> [メールアート]

1.それぞれに得意技がある

 メールアート・ネットワークに参加しているアーティストや詩人には、それぞれ得意技がある。さまざまな手法を試したり、メールアート展で設定されるテーマにそって新しい手法にチャレンジするうちに自分にしっくりくる手法がわかってくるのだ。カナダのジャス・フェルターやスイスのH・R・フリッカーといったアーティストは切手型のアート、アーティスト・スタンプが得意技である。ビート文学とのつながりの深いアメリカ在住のフランス人クラウド・ペリューはコラージュ、アメリカのジョン・ヘルド・ジュニアはラバースタンプアート、日本の幸円良介はブレイン・セルと名付けられた、世界のアーチィストから送られたアートの部分を寄せ集めた作品、ヴィジュアル・ポエトリーのジョン・ベネット、実験的な詩作品を送り続けるマーク・ソネンフェルド、アーティスト・ブックはイギリスのパトリシア・コリンズなど、それぞれに得意技がある。そうした中、私の得意技はコラージュ・コラボレーション。コラボレーションによるコラージュ作品である。
1995年、『TRIANGLE COLLAGE』という小冊子を作成、これを世界のメールアーティスト達に送った。これを皮切りに、多くのメールアーティストやヴィジュアル詩人達とのコラボレーション作品の制作を行なうことになった。これらコラージュ・コラボレーション作品のほとんどはポストカード上で行なった。共同作業の申し出があると、8枚のポストカードに何らかのコラージュを施して、コラボレーターに送付する。受取ったコラボレーターはその上にコラージュを重ねて作品を完成させる。完成した8枚は私のもとに返送され、8ページの小冊子にまとめる。タイトルはよせばいいのに、コラボレーターごとに違うタイトルを考えた。これをまたメールアーティスト達に送る。こうした共同作業は2002年まで続き、124冊の小冊子を発行した。もっとも発行巻数が多いのは『TRIANGLE COLLAGE』の9シリーズである。

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駅員3

またまた興味津々の話題ですね[わーい(嬉しい顔)][ぴかぴか(新しい)]
「小冊子にして配る」というのは、印刷してくばられるんですよね[exclamation&question]
それは一般にも販売されるのでしょうか?
by 駅員3 (2009-11-07 09:47) 

ナカムラ

駅員3様:コメントありがとうございます。小冊子とはいってもA4サイズにコピーして(両面に4枚の作品)、8ページだてにして中とじ製本したものを手作りしました。このシリーズは市販せず、すべてメールアーティストに送りました。たぶんその全てはカナダのマニトヴァ図書館のライブラリーに収蔵されています。一度まとめてご覧いただく機会が作れればいいかな、とは思っておりますが。作品に関してはこの記事に続いて紹介してゆく予定です。
by ナカムラ (2009-11-07 10:44) 

なぎ猫

そうなんですよね!それぞれ各人の特徴があるんですよね。いろいろ見てると楽しいですよ。私は切り貼りが好きです。切手シート、作れるんですか?あ、あとですね、仁王以外でまた写真使った切り貼り、作ったんですけど、ポストカードサイズにリサイズしたほうがよいですかね??
by なぎ猫 (2009-11-07 23:19) 

ナカムラ

なぎ猫様:コメントありがとうございます。切手シート完成しました。月曜日に送ります。ただし、目打ちの専用機械をもっていないので、切手の外枠もイラストです。ご勘弁を。シートで10枚です。
コラージュはどんなサイズでもOKですが、なぜポストカードにしたのかは郵便料金の問題もあってリサイズしました。たとえばA4にするとこちらは、定形外でおらずに送っても、先方は4つ折りにして送ってくる可能性が高いので、あえて作品としておらないものを入手するために小さなサイズにしています。おって送られてもOKと思えば全然問題ありません。大きな作品はありです。郵便の制限いっぱいまでチャレンジするアーティストもいます。個人個人の判断の範疇ですね。
by ナカムラ (2009-11-07 23:31) 

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