名刺サイズアート交換会(1)メールアートギャラリー<アーティストトレーディングカード> [メールアート]

(1)アートにもトレーディングカード?

 トレーディングカードとかトレカなんていうと、私が思い出すのはメジャーリーグ(私が子供の頃は大リーグと呼んでいた)の選手たちの写真が印刷されたカード。日本ではまずは野球の人気があったので、トレーディングカードも野球ものから普及したのだろうくらいに思っていた。しかし、その歴史を調べてみると、その起源は十九世紀末のアメリカのタバコカードというものに辿り着くようである。これはタバコの販促用に作られたカードで、スポーツもの、女優もの、自動車、風景など多岐にわたったようである。中でもスポーツものの人気が高く、野球、サッカー、アメリカンフットボールのものなどが制作された。この時点ではタバコの販促品ということからしても対象は大人であった。ところが、お菓子にカードをつけて販促品にするようになった一九三三年以降次第に子供にも普及してゆくことになった。特に五一年にトップス社が野球選手のカードに自社製のガムをつけて販売した商品がヒットをし、トレーディングカードの普及を加速したようだ。このトップス社が最初に採用したカードのサイズ、ニ・五×三・五インチ(六四ミリ×八九ミリ)がアメリカでのトレーディングカードの標準サイズとなり、現在もこのサイズのものが一般的である。

 日本におけるトレーディングカードは紅梅キャラメルについていた野球カードが発祥ではないかといわれているが、私は紅梅キャラメルについては全く知らない。五一年のことというから、アメリカのトップス社の方法を即座に取り入れたのかもしれない。読売ジャイアンツの選手のカードがついていたようだ。日本ではスポーツに限らず、カードが独自の発展をとげ、特にアニメキャラクター、カードゲームの領域のカードが世界的なブームを作っている。ポケットモンスターや遊戯王のカードは日本国内にとどまっておらず、世界中にコレクターが存在しており、各国の言語によるコレクターのコミュニティーサイトが運営されている。

 アーティストトレーディングカードは、九七年にスイス・チューリッヒ在住のアーティストであるバンチ・スティルネマンが始めた企画で、カードサイズはアメリカの標準サイズである六四ミリ×八九ミリ、アーティスト本人のオリジナル作品であり、小さなエディション(複数でも発行部数が小さい)であり、希少性があることが条件とされている。スティルネマンがこのコンセプトを発表したのが九六年九月のこと、九七年一月に同じくチューリッヒのアーティストであるキャット・シックと具体的な活動を開始、「COPY-LEFT」というアーティストトレーディングカードのアッセンブリングセットを発行、この仕組みを通じてカードの交換を行なった。この年の四月二十三日から五月十七日にはチューリッヒにおいて第一回の展覧会を行なっており、十月十六日から十一月十五日にはカナダのアルバータ美術・デザイン大学においてチャック・ステークとドン・マービーの共同企画による展覧会が開催されている。

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なぎ猫

私が子供の頃、野球チップス(パッケージが野球の絵で、普通のポテチより量は少なく、中に野球選手のトレカが入っていたと思う。)がありました。野球チップスにはあまりこころ動きませんでしたが、お菓子におまけがついてくるのがうれしかったな。(今でも)
by なぎ猫 (2010-03-23 09:15) 

雉虎堂

アーティストトレーディングカード(ё_ё;)
こういうジャンルもあるんですねえ
世界史を教えていたころ暗記カードをトレカ風に作って配っていたことがあります。戦闘力とか政治力とか人望とかを、独断と偏見で数値化したんですが、生徒はそっちばっかりおもしろがって肝心なことを覚えないので、13世紀くらいまででやめました(^^ゞ
by 雉虎堂 (2010-03-23 10:08) 

ナカムラ

なぎ猫様:コメントありがとうございます。再びメールアートの世界に帰ってまいりました。野球チップス覚えています。カードが入っていたと私も思います。

ただ、集めていなかったので、記憶は定かならず・・ですが。

なぎ猫さんのコメントをみていて思い出したのですが、私が小さな頃は祖母がかまぼことかちくわとかの製造・販売をやっていまして、問屋街の中にありました。そこで幼児期は育ったのですが、動物の小さな模型のついたカバヤ・動物キャラメルが欲しくて祖母にお願いしたら、じゃあひとつだけだよといわれ、届いたのがダンボール1ケースでした。いくつ入っていたんだろう。驚いた記憶を思い出しました。豪快な祖母でした。
by ナカムラ (2010-03-23 12:32) 

ナカムラ

雉虎堂様:コメントありがとうございます。本当に・・・私もまさかアートの世界でトレーディングカードとは想像していませんでした。でも、やってみると面白いし、本当に交換するんです。5月1日にカナダでトレーディングカードだけの展覧会があって、招待状が昨日届きました。記事にあるチャック・ステークからです。ご興味あればインヴィテーション内容を明日以降の記事かコメントにいれますが・・・どなたかチャレンジしたい方いますか?

世界史トレカ、日本史トレカ、今はやりそうですね。戦国とか幕末とか。
by ナカムラ (2010-03-23 12:37) 

青の風画

子供心を思い出させて貰いました。
芸術の原点ですね。
アートトレーディングカードがあるとは
知りませんでした。
by 青の風画 (2010-03-23 23:37) 

ナカムラ

青の風画様:コメントありがとうございます。そうなんです。私もこんな世界がろうとは・・・でした。結構小さなフレームなので、結構難しいです。
by ナカムラ (2010-03-24 00:48) 

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