名刺サイズアート交換会(2)メールアートギャラリー<アーティストトレーディングカード> [メールアート]

(2)COPY-LEFT

 私が最初にアーティストトレーディングカードの存在を知ったのはカナダからの手紙だったので、記憶は定かではないが、チャック・ステークまたはドン・マービーからの九七年のカルガリーでの展覧会に関しての案内だったのかもしれない。ともかく、その手紙にはアーティストトレーディングカードのこと、何月何日何時から何時に交換会を行なうこと、その場所などが記載されていたと記憶している。当時、ATCと略されたアーティストトレーデインングカードについて、ほとんど何も知らず、その手紙に対してのメールアートを送るとともに、「案内いただいたATCの交換会には参加できない。でも、今後のカードの交換には参加したい。どうしたらいい?」という手紙を書いた。たぶん、その返事はチャック・ステークから来たのだと思うが、メールトレーディングという方法についてと、スイスのスティルネマンが発行している「COPY-LEFT」に参加してはどうか、との薦めが書かれていた。メールトレーディングの場合、交換を希望するアーティストを自ら探し、交換を行なわねばならず、一種のアッセンブリングマガジンでもある「COPY-LEFT」ならば一気に交換を進めることができる仕組みであったため、これにまずは参加することにした。参加するのは簡単であった。まずはオリジナル作品のATCを二十部制作する。裏にはエディションナンバー、制作日付、サインをいれる。そしてチューリッヒのスティルネマンのところに郵送する。十五人のアーティストが揃ったところで一つの号を制作、参加したアーティストに各一部を送付するとともに、二部はコピーレフト・アーカイブに、一部はカナダのカルガリーのチャック・ステークに、そして一部はアメリカのマイアミビーチに、最後の一部は世界中の誰かに送る仕組みとのこと。スイスにカードを送れば、自動的に他の十四人のアーティストとのカード交換が一気にできてしまうというのが、「COPY-LEFT」の便利なところである。私もさっそくカードを制作し、チューリッヒに送った。返送されてきたのは第18号、九八年四月の発行である。「COPY-LEFT」はその後も早いペースで発行され、○五年十二月四日発行の第三三三号で中断、お休み中との事。私は二十六セットに参加、最後は第三二八号(〇四年三月発行)に参加していた。「COPY-LEFT」は休止したが、同じチューリッヒ在住の女性アーティストであるキャット・シックが女性アーティストだけを対象に行なっている「シスター・トレーディング・カード」(STC)というプロジェクトは今も継続されているようだ。
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雉虎堂

アーティストトレーディングカードで
検索したらそれ用のスタンプが
販売されていてびっくりしました(ё_ё;)
表現の場であると同時に
コミュニケーションの手段なんですね
こういう仕組みが豆本で作れないかななんて
ちょっと思いました(^^ゞ
by 雉虎堂 (2010-03-24 07:48) 

なぎ猫

前回の記事のコメントの祖母様について。
一個だけよで、ゴーカイですね。ちょっと笑いました。
by なぎ猫 (2010-03-24 09:21) 

ナカムラ

雉虎堂様:私も確認しました。びっくり!
ええっ、しかもSOLD OUTとは。

たしかに裏面にはスタンプにあるような内容をサインともに記入していますが。

結構これがさかんなのは、コレクターがいるからかもしれません。かなり制作のオファーが来ますから。
by ナカムラ (2010-03-24 09:45) 

ナカムラ

なぎ猫様:コメントありがとうございます。豪快な祖母でした。芸妓だったこともあったようで、私とは血のつながりはありません(祖父の後妻)が、とても可愛がってくれました。
by ナカムラ (2010-03-24 09:47) 

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